小林古径「併し奥村君の勉強はただごとではないんだよ。展覧会めあてに絵を描いていたのではない。ある時は一年間写生ばかりやっていた事もあった。若い時からすばらしくうまかったんだよ。僕なんかより遥かにうまい。そのうまさを、完全に立派に生かしたんだね。併し大変だったよ。君ねえ、えかきはあまり幸せでない方が却っていいんだよ。奥村君は立派に切り抜けた」

岡本弥寿子「恩師奥村土牛先生」(『三彩』431号所収、1983年8月)

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