小林古径《少女》(個人蔵)

小林古径《少女》(個人蔵)

古径24歳の作 

この年に師の梶田半古が病に倒れ、古径は師に代わって半古塾の後輩たちの指導にあたるようになりました。俯く少女の視線の先には、手向けの花でしょうか。人物の表情や全体的に沈んだ暗い色調が哀愁漂う作品です。髪留めのリボンの鮮やかさがアクセントになっているように感じましたが、そこまで深い意図があるかは不明です。全体的に薄暗く、どんよりした空気を纏っていますが、悲観的にならないのは、花が描かれているからかもしれません。少女が何を思って花を見つめているのか、どういう状況を描いた絵なのか、物語を推測して深読みしたくなる作品

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