梯子の頂上に登る勇気は貴い、更にそこから降りて来て、再び登り返す勇気を持つ者は更に貴い。
大抵は一度登ればそれで安心してしまう。
そこで、腰を据えてしまう者が多い。
登り得る勇気を持つ者よりも、更に降り得る勇気を持つ者は、真に強い力の把持者である。

「速水御舟語録」『美術評論』4巻3号所収、1935年4月

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