私は、この一文を瞽女の学術書、歴史書、並びに研究書といったものにしたくないと思った。言わば、私が何かを話したい、語りたい、それを伝えたいと言う気持から、出来るかぎり文献にたよらず、私が見、私が知り、私が歩いて、そこから得た経験から、その感動を出来るかぎり事実に即して、一部始終とどめて置きたかった。

斎藤真一「はじめに」p2『瞽女=盲目の旅芸人』(1972年、日本放送出版協会)所収

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